気になる「おりもの量、かゆみ…」もしかして異常かも?
「最近、おりものの量が増えた気がする…」「ニオイが気になる」「かゆみがある」
こうした症状が続いている場合、膣や子宮のトラブルのサインかもしれません。
おりものの状態は、女性の体調やホルモンバランスを反映する大切なサインです。
いつもと違うと感じたら、早めに産婦人科へご相談ください。
正常なおりものの状態とは?
まずは、「正常なおりもの」について知っておきましょう。
- 色:半透明〜白く濁った色(下着につくと黄色っぽく見えることも)
- 状態:とろっとした粘り気(排卵期に増える傾向あり)
- におい:少し甘酸っぱいような、独特のにおい
- 出血:排卵前後に少量の茶色・ピンクのおりものが出ることも
これらは、生理的な変化であり病気ではありません。
ただし、出血が混ざる状態が長く続いたり、周期と関係なく異常を感じる場合は、注意が必要です。
おりものは1カ月の中でも変化します
おりものの量や状態は、女性ホルモンの分泌によって周期的に変化します。
個人差も大きいため、自分の“ふだんの状態”を知っておくことが、異常に気づく第一歩です。
月経周期ごとのおりものの変化
時期 | おりものの特徴 |
---|---|
生理直後 | 量が少なく、さらっとしている |
排卵期 | 粘り気が強く、水っぽくなる。量も増える |
黄体期〜生理前 | 白く濁り、やや粘性が強くなる |
生理 | 血液と一緒に排出される |
こんな症状は要注意です
一時的な変化なら問題ないことも多いですが、次のような状態が続く場合は要注意です。
- 周期に関係なくおりものの量が増えている
- かゆみやにおいを伴う変化がある
- おりものの状態が急に変わった
特に、感染症や膣内の異物、子宮のトラブルなどが隠れていることもあります。早めにご相談ください。
色・におい・かゆみでわかる異常のサイン
おりものの「色・におい・かゆみ」は、体の異常を知らせるヒントになることがあります。
- 白くてポロポロ:カンジダ膣炎の可能性
- 黄色〜黄緑色:細菌性膣炎や性感染症(トリコモナスなど)
- ピンクや茶色:不正出血が混ざっていることも
- 強いかゆみ・悪臭:感染症の可能性大
気になるときは、迷わず婦人科を受診してください。
おりものの異常で考えられる病気
以下のような疾患が、おりものの異常やかゆみの原因になることがあります。
- カンジダ膣炎:かゆみや白いポロポロしたおりものが特徴
- トリコモナス膣炎:泡状・においの強いおりもの
- 細菌性膣炎:膣内環境のバランスが崩れることで発症
- クラミジア感染症/淋病:自覚症状が少ないが、放置は危険
- 子宮頸管炎/びらん:量の多いおりものの原因に
- 頸管ポリープや子宮頸がん:不正出血・性交後出血が見られることも
日常生活の習慣も原因になることがあります
「清潔にしているのに、どうして?」
そんなときは、以下のような習慣が関係していることも。
- 通気性の悪い下着、長時間のナプキン使用
- 夏の蒸れや冬の厚着による湿気
- 膣洗浄(ビデ)の使いすぎ
- 疲れ・ストレス・無理なダイエットによる免疫低下
大切なのは、「清潔にしすぎない」ことも含めたケアです。
放置せず、早めの受診をおすすめします
放置すると妊娠・出産に影響することも
感染症を放置してしまうと、子宮や卵管、卵巣にまで炎症が広がることがあります。その結果、不妊症・子宮内膜炎・卵管炎などのリスクが高まります。
また、クラミジアなどの性感染症を妊娠中に放置してしまうと、赤ちゃんに感染し肺炎や結膜炎を引き起こすこともあります。自分のため、そして未来の赤ちゃんのためにも、早めの対処が大切です。
「少し変かも?」と思ったら、まずはご相談ください
- いつもと違うにおいがする
- おりものの色や状態が気になる
- 軽いかゆみが続いている
そんなときこそ、からだからのサインです。市販薬や様子見で済ませず、専門医にご相談ください。当院では、女性医師が丁寧にお話を伺い、必要な検査・治療をご提案しています。どうぞお気軽にご相談ください。